● 先生ご自身の研究内容について教 えていただけますか。また、今後先生の研究が目指すところについてもお聞かせください。
エネルギーを合理的に使うこと,特に排熱を有効利用することに注目しています.具体的には100℃を下回る低質な熱から冷熱を得る「熱駆動冷凍機」の研究をしています.この冷凍機は冷媒蒸気の吸収や吸着現象を利用する点に特徴があります.また,発電と同時に発生する排熱を利用するコージェネレーション(熱電併給)システムを数理モデルを用いて解析し,各種用途の建物と組み合わせたときの省エネルギー性の評価を行っています.コージェネレーションの排熱は熱駆動冷凍機の入力になります.
● 東京農工大学(または化学物理工学科)の学びの特徴はどのようなところだとお考えですか。
食料問題,エネルギー問題,環境問題など社会的に解決が求められている課題が様々ありますが,東京農工大学では工学分野と農学分野の連携によって多角的なアプローチができます.問題を大きな目で捉えながら,個別の先端的研究に触れることが可能です.
化学物理工学科では化学と物理学という二大領域を学ぶことを通じ,対象の多面的な性質を理解する力をつけることが特徴と思います.
● どのような学生に入学して欲しいとお考えでしょうか。
広くいろいろなことに興味を持って,積極的に自分から取り組むこと,難しいと思うことにも挑戦する意欲を期待します.
● 先生が学生に指導する際に心がけていることを教えていただけますか。また、どのような学生を育てていきたいと考えていますでしょうか。
エンジニアは現場の課題を解決することが求められます.学生にとっての現場は大学生活であり,研究室生活です.研究室の課題を自分達で解決するようにさせています.実践する力をつける機会を作るように心がけています.
また,勉学・研究することは当然のことですが,クラブ活動なども大学時代ならではの経験をする機会です.一人でできることは限られており,チームで取り組むことが大事です.仲間と一緒にユニークな経験を積んでほしいと思います.
●この記事を読む受験生、高校生に向けて一言メッセージをお願いします。
大学は自分で考えて自ら行動することを身につける場です.失敗を恐れることなく,何にでも挑戦してください.たとえ失敗してもそこから得られる経験は他に変えられない価値があります.
教員名:秋澤 淳 (AKISAWA, Atsushi)
現所属:機械システム工学科(大学院生物システム応用科学府)
Interview: 2018/7/30
Other interviews⇒ 他のインタビュー記事