Students’ Voices 化学物理工学基礎・先端プロジェクト演習 履修者の声

化学物理工学科では、1, 2年次にゼミ形式の授業 「化学物理工学基礎プロジェクト演習(1年次)および化学物理工学先端プロジェクト演習(2年次)」を履修します。教員1人と8~9人の学生がグループとなり、設定した課題(下記)について調査し、化学工学や物理工学に関わる問題解決能力を養います。

水素の新たな利用技術

・「水素を利用すればエコ」と漠然と考えていたが、作る技術・使う技術の両方の面でまだ課題は多く、一概に水素を利用することがエコであるということは製造の面も含めて考えると難しいことを知った。物理と化学の両方の分野も学ぶことの必要性を改めて感じた。

・ISプロセスや光触媒による水素の製造といったクリーンな方法による生成の方法が研究されていることが分かったので近いうちに水素のエネルギー利用は現実的になるかもしれないと感じた。エネファームの仕組みを調べてなぜエネファームがエネルギー効率が良いのかが理解できて、水素の利用が小規模であるが実際にうまくいっているのだなと思った。

バイオマテリアル製造及び応用

・バイオマテリアルに関する調査を行い、植物から取り出したセルロースナノファイバーの利用方法について調べた。生物の分野は化学の内容と大きく関わっていることを改めて実感した。私は物理科目の勉強が好きなのだが、バイオマスに興味を持ったので科目は関係なく、生物や化学の勉強も必要だと思った。

・セルロースナノファイバーを理解するためには、それ自体の性質だけでなく、カーボンナノチューブや電子デバイスというように競合したり、利用したりする対象まで詳細に調べる必要があることを実感した。

様々な建物のZEB化:Net Zero Energy Building

・ZEBとは何か、その分類、身近な建物をzeb化するときにどのような技術を用いれば良いのかを調査していく中で、周囲に溢れているエコフレンドリーな技術に対する理解が深まり、これからもzebを含めた再エネ利用に興味が高まった。

・省エネ技術、創エネ技術がどのように使われているのか深く理解できた。これからは創エネルギーについてより深く勉強しようと思う。

不揮発性メモリの現状と将来

・メモリというもの自体、あまり詳しくなかったので、メモリを知れたことは良かったなと思う。また、メモリを将来どう使っていくかは私達のアイデア次第だなと思った。何が出来て、何が出来ないのかを考え、より深くメモリの将来を考えていけたらと思う。

量子コンピュータの実機で遊んでみよう 

・量子コンピュータについて名前しか聞いたことがなかったが、基本的な仕組みや活躍が期待される分野などかなり量子コンピュータについて知るいい機会になった。

・1つの分からない事を調べたら、3つの新しく分からない事が出てくる。テーマ自体は自分がやりたいものに近く、これから量子力学を学ぶのが楽しみになった。

*** 外部リンク https://www.ibm.com/quantum-computing

レオロジーコントロールの産業活用

・塗料のレオロジーコントロールに関することを調査しており、塗料分野におけるレオロジーコントロールの必要性やその計測方法などを理解できた。しかし、まだ私の知識では理解しきれない部分もあるので発表に向けてさらに学習することが必要だと感じた。

・レオロジーについて調べてみると、非常に様々な範囲で利用されていることが分かり、流体の領域は奥が深いと思った。また、粘度計原理についても調べてみると、粘度は直接測りにくいから、電流など測りやすいものに置き換えて機能していることがすごいと思った。

半導体デバイスとこれからの社会  

・半導体メモリの一つである揮発性メモリの特徴とその仕組みについて調べた。半導体メモリについて調べていくと、これまでわからなかったメモリの仕組みや構造を理解することができて、メモリに様々な種類があることを知ることができた。また、半導体メモリには様々な種類があることを知り、今後の社会で新たに誕生したり、必要になってくるであろう半導体メモリについて勉強したいと感じるようになった。

・今回扱えなかったスマートフォンなどの電子デバイスについても、非常に興味があるため、このプロジェクトが終わったら調べたいし、勉強することが必要だと思いました。

データでエンジニアリングしてみよう

・今まで触れたことのないpythonやjupyter notebookといった言語を使ってプログラムを組むことで新しいことをたくさん学んだ。

・データを使ってプログラミングを組むことで、事象を予測する方法がわかったので、その方法を使って新しいデータで予測するプログラミングを組んでみようと思った。予測の正答率をあげるために精度を高めるための勉強が必要だと思った。

規則的配列

・コロイド粒子の規則配列について調べました。金属ナノコロイドの粒子はバルク金属とは異なる物性を示すことがわかり、工学においても重要であることをしりました。これからはコロイドの物性が、具体的にどう違うのか、どうしてその物性が発現するのかを調べたいです。

・高校生の時に倣った、結晶について深く学ぶことができた。結晶一つにしても、これほど詳しく研究されていることを知れた。また、事象を理解するためには、熱力学がとても重要になることを知れた。

海洋に流出した原油の処理技術

・これまで海洋に流出した油に着眼点を置いたことも、どの様に処理しているのかも考えたことがありませんでした。流出油の分解方法をこのプロジェクトを通じて知り、処理の構造や仕組みに感動しました。期末試験まで残り少ないですがもっと知っていきたいです。

・海洋に原油が流出した際の悲惨な現実を知り、ニュースだけでは流れてこないような内容に、物事を受動的にとらえるのではなく、能動的に調べることが大切だと分かった。

現代・近未来の住宅におけるエネルギー

・住宅のエネルギー問題に関連して省エネについて調査した。これまで、うやむやだったエネルギーフローの流れを具体的に学べたと思う。住宅におけるエネルギーは多様な観点からとらえられるので、様々なアプローチ法があり把握するのは、大変だと思った。

ウランのマテリアルフロー             

・脱炭素化社会に向けて原子力発電が注目されており、その際に使うウランに注目することにした。そこで、廃棄物における放射能問題とその処理についての調査をグループで行い、これからも増え続けるゴミの処理場所や方法を勉強していくことで、地層処理の観点から、自然の力で有効に使えるものがあると言うことを理解した。

不揮発性メモリの現状と将来         

・自分はフラッシュメモリと抵抗変化メモリ(ReRAM)について調べた。特に、動作原理の調査を担当したReRAMにつては理解が深まり、未だ研究段階にあるReRAMについて深く知る機会はめったにないのでとても貴重な体験だった。

創エネと省エネの家         

・太陽電池について調査した結果、太陽電池の仕組みや、これまで意識してこなかったそれらの具体的な用法や、社会とのかかわりが理解できた。最終発表に向けては、創エネによる家での発電量についての考察を行い、これを計算できるようにエネルギーの勉強をすることが必要だと思った。

マテリアル・フローから循環型社会を考える

・現在世界中で問題となっている海洋プラスチック(マイクロプラスチック)に注目し、この問題を解決しうる方法の一つとして生分解性を利用したプラスチックの開発があったためそれについて調査を進めた。一口に生分解性のあるプラスチックといっても各企業の開発した様々な製品がありそれぞれの製品によって分解されうる条件が変化してくることが理解できた。しかしこれまでの調査では生分解性プラスチックの製造方法・および製造過程について細かく調査することができていない。そのため今後は微生物からいかにして生分解性プラスチックの原料を抽出するのか、また抽出した成分からどのように製品が製造されているのかについて詳細に調査を進めていきたいと考えている。私のグループには調査に積極的な生徒が多くそれが自分自身の調査を意欲的に進めるモチベーションアップにつながったことも確かである。今後もこのような活動に精力的に取り組めるようにしていきたいと感じている。

日本での再生可能エネルギー大幅増加に向けたシステム提案

・実際に節電に取り組んでみて、家族で節電意識を共有することの難しさを感じた。また、パリ協定の目標を達成するためには、再生可能エネルギーをはじめとした様々な分野での技術革新が必要であり、それには莫大な費用がかかることがわかった。これからは、地球環境にも目を向けながら、ものづくりのために化学物理を学んでいきたいと思った。

光を用いた計測技術

・非接触体温計の仕組みについて調査をしてみたら、これまでわからなかった赤外線の利用や光を用いた計測技術について理解できて、これから応用例を勉強しようと思った。

持続可能な社会の実現と材料科学

・炭素材料「CFRP」について調べることになった。現在はまだ調べている途中だが内容がガラッと変わったため少し大変。しかしこれも持続可能な社会を目指すにあたってキーワードになる材料であるので理解を深められるようにしたい。

レアメタルを削減した強磁性体の調査

・今回の調査にあたって初めて論文のデータベースに触れた。このことは、後々の活動に役立つだろうなと思った。こういう機会でもないとなかなか降れようとは思えないので、いい機会になった。また、英語の重要性やグループ活動における積極性の重要さなども経験できたので非常にためになる活動だった。

・発表に必要な磁石の基本知識の調査が役割でした。基本知識といってもこれまで知らなかった磁石の特性やレアメタルの用途が理解できました。自分が担当しなかった、レアメタルを削減した強磁性体の調査は、まだまだ理解が足りていないので、勉強する必要があると感じました。

電力システム改革とエネルギーの使い方

・電力市場を調査したところ、思っていたよりも多くの種類があって驚いた。また、再生可能エネルギーについてもしらべたところ、再生可能エネルギーの発展と電力システムにはとても大きな関係があることがわかった。

ナノテクノロジー

・今までナノテクノロジーについてあまり調べたことがなかったが、今回の調査活動を通して、日用品やIoT機器などの広い分野でナノテクノロジーがどう役立っているのかを広く深く学ぶことができた。これらから、ナノテクノロジーの研究が生活を豊かにしたり、環境を保全したりするために重要な役割を担っていることが分かり、その研究のためには、化学物理工学科で学ぶ化学や物理の基礎科目の知識を身に着けることが重要となってくることが分かった。また、ナノテクノロジーについて調べたことと大学の授業で学んだ知識と合わせて考えていくことがアウトプットのようで面白いと感じた。

電力システム改革とエネルギーの使い方

・電力システムや小売りの自由化など,法律や制度と絡めた内容で,会議資料等の調べ学習が慣れるまでは難しかった.”電力の安定供給”と一言で言っても太陽光パネルの発電効率を上げるのか,市場を増やすことで安定供給するのかなど技術的なことだけではないことを知ることができた.これからは科学的・技術的なことの勉強のほかにも世の中との絡みも視野に入れて勉強を進めていくことの重要性を感じた.

文明を発展させるためのレーザー技術を考える

・自分で調査したことを班員と議論する時間がとても有意義に感じた。講義を通してレーザーに対する理解はもちろん深まったし、課題解決のためにはどんなことを考えればよいのか、これまでになかった視点で物事をとらえられるようになった。

持続可能な社会の実現と材料科学

・それぞれが自分の興味をもった材料について調査をすすめ、進捗を毎週発表した。それにともないより自分が深く調べたい内容や先生からのコメントによって理解を深めていった。自分の調査はもちろん、全く異なる材料について調べているほかの班員の発表を聞くことでその材料についてはもちろん、発表形式なども参考になった。

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