畠山 温 (量子エレクトロニクス )

● 先生ご自身の研究内容について教えていただけますでしょうか。また、今後先生の研究が目指すところについてもお聞かせください。

一言でいうと原子物理学です。原子は多様な物質の構成要素ですが,原子単体でも突き詰めて研究すると,自然界の真理の解明や新しい技術の開発につながります。私は特に原子のスピンという量子的な性質に興味を持っていて,光,原子,固体表面と原子との相互作用を通じてそのスピンの状態を操る研究をしています。原子スピンのユニークな特徴を使う新しいセンサーや量子情報処理に役立てるのがねらいです。

● 東京農工大学(または学科)の学びの特徴はどのようなところだとお考えですか。

卒業研究や大学院で研究を指導する教員が,1年生のときから講義や実習を通じて一貫して目をかけてくれるのが農工大のメリットだと思います。1年生のころから専門性が強いことは視野が狭くなるデメリットにもなりえますが,化学物理工学科は工学の基盤である化学と物理の両方をベースとして学んでいくので,広い選択肢を持って自分の道を進んでいくことができます。

● どのような学生に入学して欲しいとお考えでしょうか。

私は物理学が好きで大学教員をしているので,化学から始まる名前の学科ですが,「物理が好き」という学生も心配せずにたくさん化学物理工学科に入学して欲しいと思っています。物理,化学,数学は工学の基礎としていずれも重要で,お互いに関係の深い科目です。大学で工学の勉強や研究を始める取っ掛かりは自分の好きな科目でよく,物理ももちろんそれにふさわしい科目です。

● 先生が学生に指導する際に心がけていることを教えていただけますでしょうか。

学生が受け身で学ばないように,主体的に授業や実習に取り組む仕掛けをつくるように心がけています。そのような講義や実習では学生とのやり取りから学ぶことも多く,担当していて楽しいものです。講義を担当することで私自身が学んだことをまとめて「量子力学」の教科書をこの間出版することができたのは,私にとってはご褒美です(笑)。

● 先生はどのような学生を育てていきたいと考えていますでしょうか。

主体的に,粘り強く,論理的によく考えてものごとに取り組む学生を育てたいと思っています。化学物理工学科で学ぶ学問がそのベースに必ずなります。

●この記事を読む受験生、高校生に向けて一言メッセージをお願いします。

新しい化学物理工学科は,内部では結局「化学工学コース」と「物理工学コース」に分かれているというありがちな「融合」学科ではなく,学生が自分の興味に応じて両方の学問体系ともに履修を深めていける学科です。皆さんの可能性を伸ばす新学科の一期生として一緒に学びませんか。


畠山 温(Hatakeyama, Atsushi)現:物理システム工学科・教員

Interview: 2018.7.25

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